社長の想い 01 継承する
地域 で生きるということ
鳴門の渦潮、霊峰・剣山、四国三郎の異名をもつ吉野川。雄大な自然に包まれた徳島は、古くは阿波国(=粟国)と呼ばれた、豊かな実りの地でもあります。そんな徳島で亀井組が産声を上げてから、すでに100年以上の歳月が流れました。この美しい風土の中で歴史を刻んでこられたことを思う時、誇りと感謝の念が静かに満ちてくるのを感じます。
明治・大正・昭和・平成―。時代はめまぐるしく変遷し、大きな試練も数知れずありました。亀井組を率いたリーダーたちは、時代が何を必要としているかを敏感に察知し、塩田・土木・鉄道・道路・建築と様々な分野に挑戦、道を切り拓いてきました。地域の発展、生活基盤の充実…彼らの胸にあったのはふるさとをより素晴らしい場所にしたいという強い信念であり、そのことに対する評価が地域の皆様からの信頼として実を結び、かけがえのない亀井組の財産となってきました。
かつて大企業に勤めていた私は、このように地域と密接に結び付いた企業のあり方に、当初は戸惑いを感じたこともありました。しかし今では大地の底深く、同じ根っこで結びついているような関係性に大きな魅力を感じています。葉っぱだったり、花だったり、枝だったり、幹だったり…地面の上の姿は違っていても、元は一本の大きな木。太陽の光を浴びて空に向かって伸びていく。そんな結びつきを生み出していけるなら、どんなに幸せなことでしょう。そのためにも100年かけて築いた信頼の絆を、何よりも大切に継承していきたいと思っています。